併合認定
併合
それぞれ2級以上の障害年金を併合する場合となります。
障害給付(※1)の受給権者に、さらに障害給付(障害基礎年金及び障害等級が1級または2級の障害厚生年金をいいます。)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害給付(※2)が支給されます。
前発障害と後発障害の区分は、受給権発生年月日で判断されます。
※1 障害基礎年金及び「障害等級」1級または2級の障害厚生年金をいいます。なお、現在障害基礎年金が支給停止中のもの及び障害厚生年金が3級または支給停止中であるが、以前に1級または2級であったものを含みます。)
※2 併合後1級または2級になるものに限ります。
初めて2級
2つ以上の傷病による障害を併給して、初めて2級以上の障害となる場合です。
2以上の障害を併せて、初めて障害等級2級以上に該当するに至ったときは、当該障害を併合した障害の程度による障害給付が支給されます。
・前発障害と後発障害の区分は、受給権発生年月日で判断されます。
・前発障害と基準障害の区分は初診日で判断されます。
・納付要件等は基準傷病で確認されることになるため、前発障害の初診日において納付要件を満たしていない場合においても、基準傷病において納付要件を満たしていれば、請求が可能です。
・支給対象となる制度は、基準傷病の初診日で決まります。
・前発の障害については、その障害の程度が3級以下のもの(以前に1級または2級の障害基礎年金であったものを除く)に限ります。
・基準障害以外の「その他障害」だけを併せて2級以上でないことが必要です。
・請求は65歳以後であっても可能です。ただし、65歳に達する日の前日までの間に障害等級に該当しる必要があり、65歳到達よりも前の現症日の診断書が必要になります。
・請求のあった日の翌月分から支給されます。

併合改定
2級以上の障害年金に、2級以上に該当しない程度の障害が発生し、上位等級に該当する場合です。
障害給付(※4)の受給権者に、さらに障害等級1級・2級に該当しない程度の障害が生じた場合には、前後の障害を併合した障害の程度による障害給付が支給されます。この場合、後発障害は受給要件を満たしていることが必要となります。
※4 障害基礎年金及び障害等級1級または2級の障害厚生年金をいいます。なお、現在障害基礎年金が支給停止中のもの及び障害厚生年金が3級または支給停止中となっているが、以前に1級または2級であったものを含みます。
総合認定
内科的疾病が併存しているときは「総合認定」として、併合の取扱は行われず、総合的に認定されます。
例えば、心臓の障害と、腎臓の障害の2つがある場合、併合表では1級になるとしても、総合的に認定された結果、2級になる可能性があります。
差引認定
障害の対象となる障害が2つ以上ある場合は、通常それらの障害を併合して認定が行われますが、次の条件に合致する場合は、差引認定が行われます。
1. 障害認定の対象とならない障害(前発障害)と同一部位に新たな障害(後発障害)が加わった場合は、現在の障害の程度から前発障害の障害の程度を差し引いて認定されます。
2.同一部位とは、障害のある箇所が同一であるもの(上肢又は下肢については、それぞれ1 側の上肢又は下肢)のほか、その箇所が同一でなくても眼又は耳のような相対性器官については、両側の器官をもって同一部位となります。
3.「はじめて2 級による年金」に該当する場合には、適用されません。
◆認定例
厚生年金保険に加入する前に、右手のおや指の指節間関節及び小指の近位指節間関節(PIP)より切断していた者が、厚生年金保険に加入後、事故により右手のひとさし指、なか指及びくすり指を近位指節間関節(PIP)より切断した場合

1により差引認定すると差引残存率は、67%-18%=49%となり、差引結果認定表により認定すれば、障害手当金該当となります。しかしながら後発障害のみの活動能力減退率は56%であり、差引残存率より大であるため後発障害の活動能力減退率により厚年令別表第1の3級と認定されます。
別表3 現在の活動能力減退率及び前発障害の活動能力減退率
| 併合判定参考表(別表1) | 現在の活動能力 減退率(%) | 前発障害の活動能力 減退率(%) | |
| 1号 | 区分1~9 | 134 | 95 |
| 区分10~13 | 119 | ||
| 2号 | 105 | 84 | |
| 3号 | 92 | 74 | |
| 4号 | 79 | 63 | |
| 5号 | 73 | 44 | |
| 6号 | 67 | 40 | |
| 7号 | 56 | 34 | |
| 8号 | 45 | 18 | |
| 9号 | 35 | 14 | |
| 10号 | 27 | 11 | |
| 11号 | 20 | 8 | |
| 12号 | 14 | 6 | |
| 13号 | 9 | 4 | |
別表4 差引結果認定表
| 差引残存率 | 障害の程度 |
| 112%以上 | 国年令別表 1級 9号・11号 |
| 111%~76% | 国年令別表 2級 15号・17号 |
| 75%~51%(治ったもの) | 厚年令別表第1 3級 12号 |
| 75%~24%(治らないもの) | 厚年令別表第1 3級 14号 |
| 50%~24%(治ったもの) | 厚年令別表第2 21号 |
差引認定は以下の通りです。
(1) 障害認定の対象とならない障害(前発障害)と同一の部位に新たな障害(後発障害)が加わった場合は、現在の障害の程度から前発障害の障害の程度を差し引いて認定します。
(2) 同一の部位とは、障害のある個所が同一であるのはもちろんのこと、その箇所が同一でなくても、眼または耳のような相対性器官については、両側の器官をもって同一とします。
(3)初めて2級による障害年金に該当する場合は、差引認定はしません。つまり最初の障害も後の障害も障害等級に該当しなかったがこの二つの障害を併せると障害基礎年金2級に該当する場合は差引認定はしません。
よって問題となるのは、差引認定の対象となるような障害が怪我前と怪我後にあったかどうかです。
高次脳機能障害の場合は、上記のような差引認定の対象とはならないと思います。
なぜならば高次脳機能障害の障害は記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害等がほとんどで、診断書も精神障害用のものを用いるからです。
複数の障害があるとき
複数の障害があるときは、障害の発生の時期と程度により認定方法が異なります。
初診時期が同じときは「併合認定」となり、内科的疾病が併存しているときは「総合認定」となります。
初診日が異なる傷病の場合は、前・後発障害ともに2級以上の障害の状態である時は「併合認定」されます。
前発障害が2級以上で後発障害が2級に満たないときは「併合改定」となります。
前・後発障害ともに2級に満たない場合は、「はじめて2級」といい、後発障害が納付要件を満たしていて、前・後発障害を併せれば「障害等級」に該当する場合をいいます。
これにより、「障害等級」が上位等級に上がり年金額が改定または支給されることになります。