知的障害と発達障害

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知的障害と発達障害

知的障害

知的障害は、障害基礎年金の中で請求が多い傷病です。
原則として生来として扱われるため、初診日は出生時(生年月日)が初診日とされます。
多くの場合、療育手帳(都道府県等によって名称は異なります)が交付されているので、請求の際に写を添付するとともに、病歴申立書には出生時からの状態を記載します。

このように取り扱われるため、初めての受診が厚生年金加入期間中であっても、障害基礎年金での取り扱いとなります。

なお、20歳時点が障害認定日となるため20歳到達時に認定日請求を行うのが一般的ですが、20歳到達から相当期間経過後に請求をする場合、障害認定日時点の診断書がとれないことがよくあります。
知的障害の現症状から認定日の状態が明らかに判断できる場合は障害認定日時点に遡及することができるとされていますが、明確な基準はなく、「知的障害者施設の在園証明書」や「市役所等が発行した障害証明書」も診断書の代わりとはならないとされているため、遡及期間や障害の程度にかかわらず一律に遡及されることは困難となっています。

発達障害

発達障害については、知的障害を伴う場合は「知的障害」として扱われることが多いのですが、知的障害を伴わない場合であって、発達障害の症状により初めて受診した日が20歳以降であれば、初めて受診した日が初診となります。
このため、厚生年金に加入中であれば障害厚生年金で請求を行うことになりますが、診断書や受診状況等証明書に幼少期からの知的障害が疑われる記載がある場合等は、病歴・就労状況等申立書には幼少期からの状態を記載するようにします。

また、知的障害や発達障害と他の精神疾患が併存している場合は、次のとおり取り扱われます。 

発達障害や知的障害と精神疾患が併発する場合の一例

 前発疾病後発疾病判定
A発達障害うつ病同一疾病
B発達障害神経症で精神病様態同一疾病
Cうつ病 統合失調症発達障害診断名の変更
D知的障害(軽度)発達障害同一疾病
E知的障害うつ病同一疾病
F知的障害神経症で精神病様態別疾病
G知的障害 発達障害統合失調症前発疾患の病態として出現している場合は同一疾患(確認が必要)
H知的障害 発達障害その他精神疾患別疾病

A 発達障害と診断された後にうつ病や神経症で精神病様態を併発したケースです。このケースについては、うつ病は、発達障害が起因して発症したものとの考え方が一般的であることから、同一疾病として取り扱われます。

B 発達障害と診断された後にうつ病や神経症で精神病様態を併発したケースです。このケースについては、精神病様態は、発達障害が起因して発症したものとの考え方が一般的であることから、同一疾病として取り扱われます

C うつ病、または統合失調症と診断されていて、後から発達障害が判明したケースです。このケースについては、ほとんどが診断名の変更であり、あらたな疾病がはっせいしたものではないため、同一疾患となります。

D 知的障害と発達障害は20歳前に発症するものとされているので、知的障害と判断されたものの障害年金の受給に至らない程度であった場合において、後から発達障害が診断され障害等級に該当する場合は原則同一疾病となります。

E 知的障害と診断されていて、後からうつ病が発症した場合は、知的障害が起因して発症したという考え方が一般的であるため、同一疾病となります。

F 知的障害と診断されていて、後から神経症で精神病様態を併発した場合は、別疾病となります。

G 発達障害や知的障害と判断されていて、後から統合失調症が発症することは少ないため、原則別疾病となります。ただし、発達障害や知的障害であっても稀に統合失調症の様態を呈すものもあるため、医師が統合失調症の診断名を付するような場合は同一疾病となります。

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